2018年1月26日に発売された「Monster Hunter World(モンスターハンターワールド)」について、レビュー・評価・感想を書いていきたいと思います。
筆者は過去のモンハンシリーズはプレイ済みで、今回レビュー対象のモンハンワールドも相当やり込んでおります。そのため、他のゲームだけでなく過去作とも比較して紹介していきます。
また、モンハンシリーズ未経験の方でも理解できるように記載していきますので、経験者の方からすると少し冗長に感じる部分があるかと思いますが、ご了承ください。
※辛口な部分もありますが、あくまで個人の意見です。
■目次
レビュー
それでは早速、項目ごとにレビューしていきたいと思います。
ストーリー
モンハンというゲームは、「敵を倒して素材を集め、より強い武器を作って、さらに強い敵を倒しに行く」という工程を繰り返すハクスラゲームなのですが、過去作品ではストーリーと言えるものはありませんでした(申し訳程度のものはあった)。
しかし今作モンハンワールドでは、ムービーシーンなども含めてしっかりとストーリーがあります。PS4の最新映像で表現されるムービーシーンは見応えも抜群です。
キャラメイクに関して
今作ではプレイヤーキャラクターを細かくキャラメイクすることができ、「美女・イケメン・アイドル顔・老人・ネタキャラ」など、自分好みのキャラで戦闘やムービーをプレイ可能です。
過去作では防具で鎧などを着てしまうと結局顔が見えないなんてこともありましたが、今作では「頭装備を常に非表示にする・イベントシーンのみ非表示・表示」の3つから選ぶこともできるので見た目に関しての自由度が非常に高くなっています。他プレイヤーの画面でも自身が設定した通りとなっているので安心です。
ゲーム中は表情も良く動くため、没入感は高くなります。キャラメイクに関してのやり方や、参考画像などが載っている記事のリンクを貼っておくので、気になる方はチェックしてください。
※キャラは課金によって作り直すことも可能です。
★参考リンク
・キャラクリ(キャラメイク)のコツ!イケメンや美女・かわいいを作ろう!
前半は神ゲー?
ストーリー前半の内は物語がよく展開し、フィールドも早いペースで開拓されていくため、基本的に見応えのある展開が続きます。
モンハンは過去作でストーリーを作るノウハウが培われていないため、ちょいちょいキャラが暴走気味で無理矢理ストーリーを展開させたり、演出が雑だったり、まるで伏線が効いていなかったりと、ストーリーに力を入れている他ゲーと比べてしまうと正直「まだまだかな」とは思います。
それでも、モンハンの高いゲーム性・映像の美しさ・魅力あるモンスター・声優の高い演技力などが噛み合わさり、展開に引き込まれます。
後半は粗が目立つ
しかし、ストーリー後半になってくると演出と展開の粗が少しずつ目立ってきます。
アンジャナフでも序盤からあれだけモンスターの強さを引き立たせるような演出があったのに、後半の古龍達はろくな演出もなくポンポン登場します。古龍一匹一匹にたいしてもっとボス感がある演出や展開があってもよかったですし、やはりストーリー上の痕跡集めなどは無駄な引き延ばしであったため、いらない要素だったと思います。
また、序盤から散々フリをきかせていたキャラやNPCなどが活躍するシーンがほぼ無かったりと、雑な部分が目につきました。
それでもなんだかんだエンディングは素晴らしいの一言で、ストーリーが終わってみれば「なんだかんだストーリー面白かったな(・∀・)」と感じる出来になっています。
★参考リンク
・【ネタバレ注意】ストーリーのネタバレ&場面ごとの感想 その1
なぜ狩りをするのかの理由付けが甘い
ここはプレイヤーの大半が思う部分になりますが、モンスターを狩る理由付けが甘いです。特に狩る必要のないモンスター達を調査と称して乱獲し、調和と称しながら無人だった大陸に人間が侵略しているような感覚を覚えます。
モンスターの動きやリアクションが非常にリアルになっているぶん、明確に敵として認識できていないモンスター達を攻撃するのは非常に心が痛み、胸糞悪いです。
たかがゲームだからという考えもわかりますが、動物への愛情が強かったり想像力豊かだったりすると狩っていてツラい気持ちになるので、このあたりを次回作では改善して欲しいですね。
★参考リンク
アクション
旧作からアクションに関しては常にいい評価を得ているモンハンですが、今回も上質なアクションは健在です。さすがCAPCOM、さすがモンハンといったところです。
武器アクションに関して
武器のアクションに関しては元から心配しておらず、実際購入後も大きな不満はありません。個人的な好みなどによって小さな不満が出ることはあっても、ゲーム全体のアクションの質はかなり高品質です。
一部旧作の狩技(必殺技のようなもの)の廃止などがありましたが、狩技に準ずるようなアクションがどの武器にも新アクションとして採用されています。そのため、戦闘が地味になる心配はほとんどしなくていいと思われます。
武器バランスも問題があれば度々見直され、バグ技などにもドンドン修正が入るのも今作のいいところです。
アクション面において作り込まれているのは、CAPCOMそしてモンハンシリーズなら当然やって欲しい部分でしたが、そのハードルをしっかり越えてくれる素晴らしい品質になっています。
★参考リンク
・上級者を目指す!チャージアックスの考え方&使い方編【チャアク講座】
モンスターのモーション等
こちらも映像がリアルになったことや、ハードが変わったことで作り直されている部分が多いです。生物としてよりリアルな動きをしていながら、アクションゲームとして大切な予備動作などもしっかり作り込まれており高品質です。
過去作のモンスターのイメージを崩さないまま、新アクションや細かな作り直しも行われているため、旧モンスターで手慣れた相手でも油断は禁物です。
当たり判定などもほぼほぼ見た目通りになっていて、画面上当たっていないのにダメージを喰らったなんてことも昔に比べてかなり少ないです。ただ映像がリアルなため、一部攻撃の予備動作が地形の見た目と被っていたりすると見えにくかったり、、といったことはたまにあります。
とはいえ、こちらも間違いなく高品質だと言っていいでしょう。
ボリューム
ゲームボリュームに関しては意見が分かれるところだと思います。
今作はハードが変わったため、いわゆる過去作の素材を使い回しができません。そのため、出現するモンスターの量などが過去作に比べ減少しています。
そういった意味では、過去作に比べボリュームは確実に減っています。ただ、やり込みをしない場合一般的なアクションゲームが30時間ほどでやることが無くなるのに対し、モンハンワールドは100時間はやることがあると考えていいと思います。人によっては何百時間とやる人も沢山います。
ただ、ハクスラゲームは数百時間〜千時間単位でプレイされることが比較的多いゲームジャンルです。モンハンはハクスラ要素があるゲームなので、ボリューム不足を感じる方も確かにいるかもしれません。
システム
過去作に比べ全体的にストレス要素が減っています。
採取の高速化や、アイテム使用で立ち止まらなかったり、フィールド間の読み込みが無くなったりと、他にも多くの変更がされています。
ただ、今作で導入された痕跡集めというシステムは新たなストレス要素として波紋を呼んでいます。モンスターを見つけるための痕跡集めはまだしも、歴戦の個体と呼ばれる強敵と戦うために、ひたすらモンスターの痕跡を集めます。その痕跡から歴戦レポートが出たり出なかったりします。その歴戦レポートも戦いたい相手や、いい条件かはランダムです。その戦った相手からランダムで珠やアイテムがドロップします。
つまり、欲しいスキルの装飾品を手に入れようと思ったら、
痕跡集め→レポート→討伐で報酬ゲット
という過程をふむ必要があり、その全てにランダム要素があるわけです。そこそこだるいです。
とは言え、過去作の炭鉱夫などに比べればずっとマシという意見が大半になっていますので、過去作プレイヤーはそこまで悲観しなくて良いでしょう。
追記:バージョンアップにより多少緩和されました。
★参考リンク
・【歴戦古龍の痕跡集め】効率のいいルート紹介!『納品、何はともあれ痕跡』攻略
マルチについて
マルチは過去作に比べ、かなり手軽になっているかわりにワイワイ感が減りました。
理由として挙げられるのは、集会所がほぼ機能していない点です。設備の不便さやロードの長さ、救難信号の存在、部屋名を付けれない、コメントを書けない、入ってきた人の国籍がわからないなど。集会所に人が集まらない理由が多すぎます。そのため、ワイワイ話しながらプレイするような環境では無くなっています。とは言え身内で集まってプレイするぶんには特に問題ありません。
また、過去作も野良でやる場合、言うほどワイワイやってなかった気もするのですが、、思い出補正も大きいかもしれませんね。
先ほど少し書いた救難信号はとても便利です。サクサクマルチをプレイできるので、ほとんどの人がこの救難信号か途中参加でマルチをプレイしています。
ことコミュニケーションに関しては減ったかもしれませんが、変なプレイヤーに会うことが減ったりスピード感が増したりと悪いことばかりではありません。
ワイワイやるなら身内とやるもの、と割り切った方がいいかもしれませんね。
★参考リンク
・【用語解説】今更聞けない『ゆうた』って何?意味や経緯を解説
難易度
過去作に比べ難易度は、ソロ専の人は下がり、マルチメインの人は若干上がりました。人数に応じてモンスターの体力が増減するようになりましたからね。
ソロ専でとにかく高難易度を求めてプレイしたい人は、装備を外すなどの縛りを自分で入れて行きましょう。
ソロでもクリアできるか
以上のことからソロでクリアは十分可能です。
過去作でできていた、マルチになった瞬間タコ殴りで瞬殺クリアというのが出来なくなったと考えておけばいいでしょう。
★参考リンク
・マルチのモンスター体力調整について、問題点解説と個人的な考え
将来性
モンスターの追加や武器や拠点の改善など、次回作における将来性はかなり期待できる作品だと思います。
ただ、開発側がPS4に移行しただけで満足してしまうと、結局また時代に取り残される作品になってしまうので、毎回進化していってほしいですね。
まとめ
トータルで言えばかなりオススメの作品です。最近はセールなんかもたびたび行われていますし、まだまだプレイヤー人口も多いです。
千時間ほどプレイしようと思って買うとボリューム不足と感じるかもしれませんが、ストーリークリアまでやって少しやり込むくらいであれば何の問題もありません。
アクションの戦闘そのものが大好きで、上質なアクションゲームをプレイしたい方にもオススメできる作品です。
個人的な感想
次世代モンハンということで発売日に購入しました。
もともとハードが変わることもあり、開発の都合を考えれば武器は8種類も出たら充分で、新規モンスターもたいしていないだろうと思っていました。
しかし、蓋を開けてみれば武器は14種類全て登場し、新規モンスターもガンガン出てきました。
ただ、モンスターの総数は当然ながら過去作には及びませんので、それをボリューム不足というならその通りなのかもしれません(過去作と比べれば)。
ただ、開発背景などを考えれば充分すぎるほどの物が出てきましたので、個人的には大満足の作品です。言い方を変えれば最近のモンハンにはそれだけ期待していなかったことにもなりますが、、。
ただ売上の出荷本数(850万本超え、PC版あわせれば1000万以上とも言われる)などを考えると、世界でそこまで売れるにはまだまだ作り込みが甘いと感じます。未だに拠点でクエストを受注して出発するゲーム性だったり、NPCがほとんど何もしなかったり、演出が雑だったりというのは事実で、日本企業のゲームの開発費の少なさが目に見えるようです。
日本人はモンハンだからそのくらいだと思ってくれるかもしれませんが、発売前ムービーでホライゾンなどのAAAタイトルのようなゲームだと思って買った海外の新規プレイヤーが、次回作も大した進化もないのに買ってくれるかというと、少し難しいかもしれません。
やはり今までのように、今回の売り上げに満足して進化を止めるのではなく、今後も開発費をしっかり投入して世界の最前線で戦えるような作品に仕上げていってほしいですね。過去の運営の仕方からいって、実際はそんなに期待してないですが。
なんやかんや言いましたが、モンハンとしての面白さは群を抜いて過去最高だと思います。あくまでボリュームが過去作に比べて少ないだけです。
モンハンのゲーム性が好きな人はプレイして損のない作品に仕上がっていますよ!!
最近ではベストプライス版も発売しており新品でも安くなっているので、気になる方はぜひプレイしてみてください。