発売後世界的な大ヒットを記録した「モンスターハンターワールド」について、世のプレイヤー(と筆者)から不満の多かったポイントを取り上げ文句を付けていく、問題点の解説や、次回作に向けて改善案を考えていくシリーズ記事になります。
今回は「武器のデザイン」について書いてみましたので、ぜひ皆さんご覧頂ければと思います。
■目次
改善案シリーズ
武器の見た目が全体的に手抜きでつまらない
今回は「モンスターハンターワールド」をストーリークリアまで一通りプレイした多くの人が感じたであろう、武器の見た目が「つまらない・地味・手抜き」という問題について取り上げていこうと思います。
今作「モンスターハンターワールド」は、近年続けてきた携帯機から家庭用ゲーム機へと媒体を移し、その際に武器デザインも一新されました。
しかし、一新された武器デザインは面白みに欠けるものが多く、総じて地味で、武器が変わってもデザインの変化が乏しいため手抜き感が否めません。
結果的に多くのユーザーから「地味・手抜き・ダサい・つまらない」といった不満が出ることとなりました。
「皮を貼っただけ」等、地味というか手抜き?
今回の武器は上の画像のような初期デザインに「モンスターの素材を使って強化を施していく」というコンセプトがあります。コンセプトそのものが悪いわけでは無いものの、この「素材を使った強化」のやり方が手抜き感満載なのが今回の大きな問題点の1つです。
結局「皮を貼っただけ」とか
この武器も上の方にある片手剣に皮を貼っただけのデザインですが、これを最終強化まで持って行くとどうなるか...
先っぽがぐにょっと曲がりました!!って舐めてんのかーい(#^ω^)これ一応古龍キリンの素材使った武器やぞ(;^ω^)
ひどくお粗末と言えます。
強化の流れを無視した一点モノ系の武器デザインが少ない
今までのモンハンであれば、前述のような強化前の形状やデザインを引き継いだ武器よりも、他の武器とは明らかに違う特有のデザインを持つ武器も多く存在していました。
MHWでいえばネルギガンテの武器なんかがそれにあたりますが、今作MHWではこういった一点モノの武器デザインが少なく、武器作成に面白みを感じないポイントでもあります。
正直センスも微妙だと思ってしまうものが多い
ネルギガンテのような一点モノデザインであったり、それ以外の「その他大勢」のような使いまわしデザインであっても、正直に言って「ダサい」というかデザインにセンスを感じられないものが多数存在しています(素人意見ですが)。
言い始めてしまうと「何故皮を貼っただけの使いまわしデザインにOKが出たのか」とか、「剣と言いつつ見た目斧ばっかり」とか、「笛に至っては仕事放棄レベル」とか、「フライドチキン」とか、「箒」とか、まだまだ不満ががあり過ぎて止まらなくなってしまいます。
良デザインが産廃、強武器がダサイも火に油
また、不満に拍車をかけた「良デザインが産廃、強武器がダサイ」という事実もありまして、これはスキル無撃が強すぎることも大きく影響しています。
MHWの武器の中にも数は少なめですが、独自のデザインを保とうとしたものや見た目がカッコイイものなども確かに存在しています。しかし、これらの大半は性能が低かったりモンスター毎のスキルの使いまわしが相対的に不便だったりで、結局ボルボロスの武器を担いでいくことになったりする場合が多いです(武器種による)。
比較的良デザインが多めの属性武器の大半が産廃状態のこの現状が、相対的に「武器デザインにバリエーションが少ない印象」だったり、「武器全体がダサい印象」に結びついている原因のひとつでもあります。
この要因に関してはスキルや武器性能のバランス調整不足による部分が大きいため、必ずしも武器デザインだけが悪いわけでは無いと言っていいでしょう。
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余談:武器デザイナーのインタビューについて
これは余談ですが、MHWゲーム発売後「武器デザイン」が世の中で散々ボロクソに言われている時期に、公式のメイキング映像で武器デザイン担当者が語っている映像が公開され余計に叩かれたりしていました(笑)。2:38~
別に人格否定をする気は無いので「次はもうちょっといいもの作って頂ければ」というところですね。
表に出ている人だけが作っているものでは無く、チームがあって議論をしてクロスチェックもして上の人がOKも出して仕事は進むわけですから、こういう時に名前が出ている人だけを集中砲火するのは「少し違うよね」と思ったりもします。
問題原因を分析
ここでは、「今回どうしてこういう武器デザインになってしまったか」について問題原因を分析していきたいと思います。
担当者にセンスが無いというだけの単純な話ではない
前述の通り「デザイナーのセンスがクソ!人変えろ!」というのは、様々なチェック体制や人の目を抜けて今回の武器デザインが採用されているわけですから、そこが問題の根本ではないと考えられます。
そもそも、製作者側というのはユーザーから出る不満点を事前にある程度予想することが可能なため、開発陣でも今回の武器デザインを「完璧だ」と思った人は少ないはずです。
じゃあ「不満点わかっててなんで放置するんだよ!」という話ですが、そこはいわゆる大人の事情というか仕方ない理由がある場合がほとんどですよね。大人の事情に関して、学生の方などで想像がまだつかない方向けに、簡単に流れを説明したいと思います。
事情1:開発リソースは決まっている
ゲームに限らずですが、まず前提として開発に使えるお金や人員や設備といった「リソース(資源)」はある程度決まっていたり、少なくとも上限がある場合がほとんどです。
その限られたリソースで定められた期間までにどれだけクオリティの高いゲームを作るかが重要なポイントです。
事情2:プラットフォームを変えた直後は何かと大変
今作「MHW」は、最近まで技術力に囚われずマイペースに携帯機で作っていたゲームシリーズを、最新技術テンコ盛りなPS4で大幅に進化させて作るわけですので過去のモデルをそのまま使いまわしたり出来ず、何から何まで全て作り直さなければなりません。細かい説明は省きますが、とにかく手間が掛かるわけですね。
他にも今作は世界に対して発信や、ヒアリングをしていたのでそういった部分でも作業量は特に多かったと思われます。
事情3:優先順位の話し
期限が決まっていて・お金や人手も限られていて・作業量は膨大だけど高いクオリティのものを作らなければいけないとなった時に、「どこの作業は削っても全体のクオリティに与える影響が少ないか」という考え方をします。つまり、力を入れて作る場所に優先順位をつけるわけですね。優先順位が低い部分は当然完成度が低くなる場合が多いです。
MHWで優先順位が高いのは「グラフィック・モンスターの数・武器種・アクションの質・ストーリー」等があげられます。ちょっと極端な例ですが「武器のデザイン沢山増やしたかわりにグラフィックは3DSの時と同じです」とか言われたら「ふざけんな」ってなりますよね('ω')ノ
つまりはこの優先順位の中で、武器デザインは「優先度が低い」位置づけになったことが予想されます。あまり使われない武器が多いことなどからもコスパが悪く、他に優先度下げれる項目もあまり無いのでこの判断自体は妥当だと思います。
事情4:グラフィックの進化による武器関連の工数の増加
MHWではグラフィックが大幅に進化したため、デザイン案通りに武器をモデリングする際の工程も増えたはずです。グラフィックが良ければ当然精巧に作らなければいけないため手間は増えますし、光ったり動いたりするギミックを搭載するのも一苦労でしょう。
また、前述の武器デザイナーのインタビューにもありましたが、
「久々の家庭用ゲーム機で細かいところまでプレイヤーに見られることになるため、動く場所の根元にちゃんと金属があって、そこに蝶番(ちょうつがい)があって、そのうえで動くとかまで考えて作っている」
といったような発言もありました。確かにガンランスなんかの動きを見ていても、パーツの連動した動きとかはなんの違和感もないですからね、凄いです('ω')ノ
他にも、 同じ黒でも質感の違いや薄い素材の表現などなど、出来ることが増えたというお話もあったので、やはりそのぶん開発に時間が掛かるのは仕方がない部分ですね。
武器のモデリング等の作業に人や時間を割けなかったのが問題の本質?
ここまでの内容をまとめると、
1.グラフィック進化などに伴って武器のモデリング自体も大変になった。
2.独自のデザインや派手な武器は、その分制作に時間がかかるし使われるとは限らない。
3.でもリソースは限られていて、武器のデザインを増やすのは優先順位が低く設定される。
4.一度作ったモデルを使いまわせる「基本形に皮を貼っただけ」等の武器を大量に作ることでモデリングの作業量を減らし、無事発売。
5.デザインの使いまわしが多いうえに武器とスキルのバランスが悪く、一部の武器が強すぎる事態に(しかもダサイ)。
6.ユーザーの不満が爆発。
以上が今回の武器デザインに手抜き感が溢れ、ユーザーから不満を買った流れだと思います。3番の優先順位の所だけは予想ですが、当たらずとも遠からずかなと('ω')ノ
こういう大人の事情がわかっている開発陣内では「制約がある中で上手く手抜きしてなんとかそれらしく仕上げてくれたし、OK!」となるわけですね。ユーザーが「そんな事情なんて知らんがな、良いもん作れや」と思うのは正論ですが、こういうことは仕事では日常茶飯事です。
時間や人を武器デザインや武器モデリングにつぎ込める状況ではなく、「デザインありきで武器を作ったというよりは、作業量を減らすために今回のようなデザイン(モデルの使いまわしばかり)にせざるを得なかった」というのが本質でしょう。
以上のことから「担当者を変えろ!」というのは根本解決にはならなそうだという話です。
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改善案
以上の原因を踏まえた上で改善案を書いてみたいと思います。
武器のモデル作成にもしっかり時間や人手をかける
これが一番の根本的解決になるかと思います。
前述の通り、作業量を減らすために今回のようなデザインにするしかなかったのであれば、人員や時間がしっかり確保されれば今までのシリーズのように沢山の武器デザインを登場させることが可能なはずです。
武器性能やスキルのバランス調整も大事
MHWの武器デザインに関して不満が多いのは、「スキルや武器性能のバランスが悪く、一部の無属性武器以外はほとんど要らない子」という現状も火に油を注いでいます。
ゲームの質を語るうえでも重要なこれらのバランス調整ですが、次回作ではもっと丁寧に調整する必要があると考えてよいでしょう。
デザイナーのセンスに問題があるなら担当を変えるか増やす
今まで散々時間や人手が足りなかったはずという論調で書いてきてアレなんですが、結局デザイナーのセンスが悪いだけとか言う場合はすぐに変えるか人を増やしましょう。
剣といいつつデザインが斧ばっかりだったりするのは本当にセンスの欠片も感じないので、せめて案出しの段階で「こんなんじゃダメでしょ」と強く言えるような人を増やさないとダメだと思います。
ゾラマグダラオスやアステラの開発が無いアイスボーンが勝負か?
MHWで大きな手間をかけた割にウケがイマイチだった要素として、ゾラマグダラオスや拠点アステラや古代樹やら色々とありますが、次回DLCのアイスボーンではそこまで大きな工数が掛かる要素はそう多くはないと思われます。
そのため、武器のモデリングなんかも一度作ってしまえばある程度使いまわしができる要素なので、「アイスボーン」で増やすことができればいいなぁと感じています。
MHW2とかになってくると、また拠点やストーリーやステージを作ったり色々手間が掛かると思うので、このアイスボーンのタイミングがある意味チャンスかなと思います。
仕方ない部分に理解を示しつつも改善希望
MHW制作の背景を考えれば、工数の関係などである程度「武器デザイン」が減るのは理解できるものの「ちょっと手を抜きすぎでは?」というのが正直な感想です(;^ω^)
あげく工数をかけたであろう古代樹やゾラやストーリーが微妙だったりと、なにかと不満が出やすい状況だと思います。
MHW2からは恐らく皆大目に見てくれなくなってくると思うので、なんとか今後改善していってほしいですね。