モンハン攻略戦記

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【MHW】増えるスリップダメージと強すぎる転身【改善案5】

ナナテスカトリ

2018年に発売され世界的大ヒットとなった「モンスターハンターワールド(MHW)」。既に超大型有料DLC「アイスボーン(ICEBORNE)」の発売も決定し、「MHW2」の発売もまず間違いないと考えられている今作。

 

しかし、今までのモンハンは長い間最新技術のキャッチアップを行わず保守的な開発を続けてきたため、今作MHWはPS4で発売したものの他の有名AAAタイトル等と比べ色々と粗が目立ちました(いきなりそれらと比べられる土俵に立てたことは大成功)。

 

そこで、MHWで世のユーザー(と筆者)から多かった不満点を取り上げ文句を付けていく、解説と改善案を書いていくシリーズ記事の第5回となります。

 

今回は「スリップダメージ」と「転身の装衣」に着目していくので、ぜひご覧になって頂ければと思います。

 

■目次

改善案シリーズ

第0回:アイスボーンでの集会エリアの改善案を考える

第1回:翼竜から落とされる要素はもういらない

第2回:受付嬢は何故嫌われたのか

第3回:モンスターを狩る理由に「調和」は無理がある

第4回:武器の見た目が全体的に手抜きでつまらない

スリップダメージを使う敵多すぎ問題

ヴァルハザク

「モンスターハンターワールド(MHW)」でプレイヤーから不満の多い要素として、『スリップダメージを主力とするモンスターが多すぎる』という問題があります。以下に該当するモンスターの一部をまとめておきます。

・ナナテスカトリ(通常・歴戦・王)
・ヴァルハザク(通常・歴戦・王)
・歴戦王ゼノジーヴァ
・エンシェントレーシェン

不満の理由は「歴戦王」などの強敵コンテンツで「難易度を上げるためにスリップダメージを追加または強化している点」や、「スリップダメージが本体と言いたくなるほど強力で、立ち回りに制限が多すぎる点」などがあげられます。

 

「スリップダメージによる難易度増加」はユーザー満足度が低い

では何故「難易度を上げたいからスリップダメージ追加しておけ」という調整にこんなにも不満が出るのかを簡単に解説していきたいと思います。

 ※一応断っておきますが、スリップダメージを持つことがコンセプトの敵が存在するのは問題ありません。しかし、難易度を上げるためにスリップダメージを追加したり「そればっかり」になってくると問題です。

 

大前提としてモンハンはアクションゲーム

モンスターハンターシリーズはそもそもアクションゲームであり、その質の高さからアクションゲームファンにも非常に好かれる作品です。

 

モンハンの戦闘アクションは剣戟アクション等と呼ばれるような、技の発生速度、攻撃の後隙、回避、ガード、SA(スーパーアーマー)、無敵時間、その他諸々の要素が複雑に混ざり合った大型モンスターとのガチバトル仕様になっています。

 

アクションゲームはRPG等とは違い、プレイヤースキル(腕前)次第でレベルや装備が足りていない状態でも強敵に勝つことが可能です。自分の実力が上がるにつれて今まで勝つことが出来なかった敵に勝てるようになったり、一般的に強敵と言われている相手を赤子の手をひねるように倒してしまうこともできるため、自身の成長を実感しやすく達成感や爽快感を得られるゲームデザインが魅力の1つです。

 

しかし「スリップダメージ」は本来のゲーム性である剣戟アクションと相反する要素が多く、プレイヤーが「こういうゲームをやりたいわけじゃないんだよなぁ(´・ω・`)」と感じてしまうポイントになります。

 

何が相反するかについてもう少し見ていきましょう。

 

上手くなっても回復を飲んだり等、時間が掛かる

エンシェントレーシェン

アクションゲームは上達することで敵の攻撃に被弾することなく自分の攻撃だけを与え、短い時間で一方的に敵を倒す事が可能です。上達を実感できた時の達成感や爽快感がアクションゲームをプレイしていく1つのモチベーションとなります。

 

しかし、「スリップダメージ」を敵が持っていた場合、回避に成功しても自分の攻撃中でもお構いなしに体力は減少し続けます。完璧な立ち回りで被弾0だったとしても、ダメージは大量にくらうことになります。

 

そうなると、たとえ完璧に近い立ち回りが出来ていたとしても回復アイテムを使う必要があるため狩猟テンポ上がりにくく、結果上達を実感しにくいためモチベーションの維持も難しくなります。スリップダメージ以外の被弾があれば尚更回復している時間が多く、アクションゲームにおいて重要な「爽快感」も感じにくくなり戦闘自体が冗長で「ダルイ」「めんどくさい」という感想になってしまいがちです。

 

そのうえでゲームデザイン上周回をする必要があるのもプレイヤーにストレスを与えやすい要素となります。

 

スリップダメージはスキルで無効化できないものも多い

MHWは戦闘の練度のみがものを言うアクションでは無く、スキルを装備することによって敵の強みを消したり自分を強化できるゲームです。

 

しかしながら、スリップダメージにはスキルで防ぐことができないものも多く、知識や事前準備による抜け道が無いものもあります。結果的に「スリップダメージに付き合うしかない」という事になります。

 

スキルでどうにかできないので最終的に「上手く戦って勝つ」しかないわけですが、前述の通り上手くやっても回復は飲まされるし、狩猟テンポは悪く戦闘は面白みに欠けます。

 

スキルでスリップダメージを無効化できたとして

スリップダメージの中には無効化できるものもありますが、これはこれで「知っているかどうか」による難易度の変化が非常に大きいです。勿論モンスターに対する知識による難易度の変化はあっていいものの、敵の技やモーションに関しての知識ではなく、さらに事前準備の段階で敵の強みを消してしまうわけですから、極端に相手が弱体化します。例:クシャルダオラに風圧完全無効を付けていくと体感難易度が6割ほどになる

 

勿論モンハンのゲーム性を考えればアリですが、これが「強敵コンテンツ」として登場したモンスターが相手だったりすると、それはガチバトル系のアクションゲームを好むプレイヤーが求めている難易度の上げ方とは違うのが現実です。

 

つまり、スキルで対策できようができまいが、スリップダメージを実装した時点でそれなりの割合でどこからかは不満が発生するということです。

 

問題原因

転身の装衣

では何故、毎回毎回「スリップダメージ」を追加してくるのでしょうか。

 

そもそも「転身の装衣強すぎ問題」がある

今回ここで言いたい内容は以下の記事内で全て記載しています。一部を抜粋しておきますが、詳しく知りたい方や興味のある方は元記事も読んで頂ければと思います。

・死闘感溢れる!歴戦王ネルギガンテ感想など

「転身の装衣」が救済措置として存在しているのは勿論良いのですが、開発側がその強力過ぎる効果を全く扱いきれていないので、救済措置というよりもとりあえず「転身着ておけばいい」という状況が生まれています。嫌なら使うなと言うのは簡単ですが、つまりそれは調整不足の放置に繋がるので、開発にはこの辺のバランス調整は今後シリーズが続くなら必須となるでしょう。

 明らかに強すぎるのは誰もが認めるところだと思います(´・ω・`)

 

モンスター側に転身対策を積ませるとなるとスリップダメージになってしまい、そういったギミックばかりだとプレイヤーから不満が出てアクションゲームとしての質が下がります。

開発も上手い対策を立てられないので、ギミックのスリップダメージに頼るしかないという状況ですね。詳しくは後述します。

 

ゲーム内に正規のルートで用意されている手段なので、ズルいとかそういうのは一切ありません。私が言いたいのは開発側の調整不足の件なので転身を使うこと自体は全然いいと思います。

一応断っておくと「使うのが悪い」とかそういうことを言いたいわけではありません。

 

転身はスリップダメージ以外で明確な対策が難しい

ゼノジーヴァ

転身の装衣はハンターを吹っ飛ばすような強力な攻撃を全て無効化してしまいます。睡眠爆破などのようにモンスターの耐性を弄ればいい話でもないため、扱いが非常に難しいのです。

 

その結果モンスター側に「転身の装衣対策」をさせようとすると「スリップダメージ」で体力を奪っていくか、吹き飛ばしの無い小技でハンターの体力を削っていくしかありません。

 

モンスターに毒攻撃や麻痺攻撃を使わせたところでハンター側に毒耐性などを積まれれば無効化されてしまいますので、結局ハンターがスキルで無効化できるものは脅威足りえないということになります。一般モンスターであればそれでも問題ありませんが、アクションゲームの「強敵コンテンツ」として実装されているモンスターが、事前準備だけで強みを消されてしまうのはそもそも「強敵コンテンツ」として成り立っていないですよね。

 

発生の早い尻もちまでの技での転身対策は諸刃

次にハンターを吹き飛ばさない技で転身の装衣対策をする場合ですが、 被弾時のモーションが尻もちの技は総じて技の出が早く威力が低い傾向にあります。

 

「転身の装衣」を装備中にダメージを受ける要素がその技しかない場合、防御力が明らかに足りていない場合や相当なゴリ押しをしない限りハンターが落ちることはまずなく、たいして脅威になりません

 

もしその技を脅威にするために威力を上げ過ぎると今度は転身が無い状態の難易度が急激に上昇し、それこそ転身で救われるべきアクションが苦手なプレイヤーの方々にとって苦痛なゲームデザインとなります。

 

「じゃあ威力低い代わりに連発してくる攻撃で転身中も削ればいいじゃん」と一度でも頭をよぎると、「それってつまりスリップダメージですよね」となってしまうわけです(´・ω・`)

 

改善案

転身の装衣

これらの問題原因を踏まえて改善案を書いていきたいと思います。

 

「転身の装衣」を弱体化または削除しないと改善は難しい

「スリップダメージ」を持つ敵が増えた流れは、

 

強い敵出さなきゃ→でも転身で簡単に倒されてしまう→スリップダメージ付けよう

 

という背景があります。

 

そもそも論として、スリップダメージ以前に「転身の装衣」が強すぎて開発が扱いきれていないのが問題です。「転身の装衣」の存在が難易度調整面で相当な問題児となっているので、この「転身の装衣」の弱体化か削除を実施しないと「強敵コンテンツでスリップダメージが多い問題」を解決するのは難しいと思って良いでしょう。

 

削除案

解決案の1つとして「転身の装衣」を無かったことにして削除してしまうのが一番簡単ではあります。とはいえ、削除を実施しようと思ったら「アイスボーン」では流石に無理なので「MHW2」などで実施することになるでしょう。

 

個人的な意見としては「円筒」はいいとしても、「装衣」自体あまり好きではないので、無いなら無いで別にいいかなという感じです。完全に余談ですが、装衣を続投するならもうちょっとデザイン面とか考えて作って欲しいですね(´・ω・`)見た目がダサすぎです

 

弱体化案

「転身の装衣」を続投する場合は、これ1つでゲームバランスを半壊させていますので弱体化の措置は必須でしょう。

 

「全部で5回しか避けれない」とか、「HP7割以上減らされる攻撃のみ自動で避ける」などというように、効果を弱体化させるのが妥当かと思います。こういった効果にすることによって「転身の装衣」使用中も脳死でゴリ押しするわけではなく、攻撃をある程度選んで避ける必要性が生まれるためゲーム性が保たれます

 

「強敵コンテンツ」を実装する際もスリップダメージを搭載する必要が無くなるため、難易度調整もやりやすくなります。

 

転身を狙い撃ちにした調整もできなくはないが...

エンシェントレーシェン

無理矢理な調整案として「転身の装衣」だけを狙い撃ちにした調整をすることも可能と言えば可能です。大技なのに吹き飛ばしを無くすことで「転身の装衣」使用中でも被弾するようにするとか、転身中だけ執拗に怯みの少ない一部の攻撃を連打してくるようになるとか、そういう調整もできなくはありません。

 

しかし「転身の装衣」だけのために、重要視しているモンスターの動きやリアルなモーションに違和感を生まれさせたり、新たなバグやハメの立ち回りが生まれる可能性も秘めた調整をするのは悪手と言わざるを得ないでしょう。その時間を使ってモンスターの1匹でも増やして欲しいのが正直なところです。

 

転身削除or弱体後はモンスターの確定行動を増やす調整が妥当

「転身の装衣」はアクションゲームが苦手なプレイヤーへの救済措置として作られた装衣です。これを削除or弱体化するならそういったプレイヤーの方々に最後までプレイしてもらえるようなシステムを用意する必要があります。

 

今作は旧モンハンシリーズに比べ難易度は低めなものの、過去作に比べて自分の腕の成長を感じにくい一面があります。

 

その大きな理由として「今作のモンスターには確定行動が少ない」という問題があると思っています。確定行動が少ないとモンスターの攻撃を見てから避けるか、次の行動を決めつけて避けるしかありません。タイムアタックをやっているわけじゃないなら見てから避けていくのが安定するわけですが、そもそもアクションが苦手なプレイヤーはこれができません。

 

そういった場合に「〇〇攻撃の後は△△が来る」という確定行動が増えることによって、わかりやすい攻略法となります。フェイントやパターンを複数用意することによって、確定行動が多くても歯応えのある戦闘が楽しめるため「転身の装衣」を削除した時はこういった調整をすると良いのではないでしょうか。

 

確定行動が多くても歯ごたえのある戦闘の例:SEKIRO・ダークソウル・ブラッドボーン・ギルクエ140ラージャンetc...

 

アクションゲームとしての質は高くあって欲しい

バフバロ

長々と書いてきましたがいかがだったでしょうか。

 

「スリップダメージ」はごく一部のモンスターが持っているからこそプレイヤーに受け入れられる要素であり、後半の強敵コンテンツで何度も出てきたときは不満も数多く出ていました。

 

クシャの設置竜巻なんかで置き換えるとわかりやすいですが、「楽しくはないけど、あいつはもうそういうモンスターだし、しょうがないか...」という気分になります。しかし、強敵コンテンツでベヒーモスだけではなくその他のモンスターも皆こぞって設置技使ってきたら相当クソゲーになるでしょう。今回は設置竜巻ほどではないものの、受け入れられにくい要素の「スリップダメージ」でそれをやっているから不満が出ているわけですね。

 

個人的にモンハンの「戦闘アクションの品質」は世界にあるゲームでも最高級だと思っています。今はまだ全然修正可能な位置にいるので、その品質を落とさないような調整を今後やっていってほしいですね。